特に若い有権者の方へ
もう有権者としての意識はあるでしょうか。18歳に認めらることになったご自分の選挙権をどう捉えられていることだろうか。
諦めたらそこで試合終了だ。
どうか自分の判断をしてほしい。
私はそう心から思っています。
ただ、「どう投票すべきか」については少し助言ができるかも知れません。なぜなら、こういうことは学校や先輩からは教えてもらえないことだと思うから。
ここで前に触れたことですが、こと議会議員選挙には悩ましいものがあります。
「誰に入れるか」ということ、それは人気投票でないのはもちろんなのですが、「この人がいい」というだけで票を投じて果たしていいのかということです。
有権者には一票しかないからです。
例えば誰かが抜きん出てトップ当選を果たすとします。
ただし議員を選ぶ選挙ですから、当選するのはおひとりではありません。
そうなると抜きん出たトップの残りは「ドングリの背比べ」、たいした票差がないところで決まるということになります。
その他の議員はあまり「民意」が反映されているとは言えません。
たまたま当選した人、組織票が図に当たった人、そういう偶然のような「誰でも同じ」のような、メンツになってしまうことになります。
しかし本来なら、我々有権者としてはベストチームを編成したいはずです。
ベストイレブンを選びたいはずなのです。
これはエース、これはストッパー、四番打者はこれにしよう、フォワードはこれ、センターバックはこれ、そう考えて全体的な投票をしたいはずです。
それが当たり前の要望だと思います。
しかし、ここで我々有権者に与えられている票はわずかに一票でしかないのです。
そうなると、「組織票」というのがどうしても有利になってしまいます。
組織で投票をする人たち、彼らはちゃんと「この地区はあの人」「あちらの地区の方はこの候補者に投票してください」なんて割り振りをします。
だから、市全体の人口の比率からすればわずかな割合を占める組織に過ぎないのに、いざ投票箱を開けてみるとこうしたグループは軒並み当選し、大きな勢力となってしまっていて驚かされる。
そういうことが起きます。
無党派層はそういうことができません。
「出来レース」のような打ち合わせはありません。
知事や市長、それこそたった一人を選ぶ選挙区なら「この人だ」というのでいいかもしれませんが、有権者に一は票しかなく、だから「ベストメンバーを選ぶ」ためには考えを巡らせる必要があるのです。
そうはなっていない地方や地域というのもあります。
これは有権者が「票を読む」からできていることなのだと思います。
「この人はどうせ人気になるだろうから、自分は次のグループで選ぼう」とか、
「最下位争いをするグループから、自分はぜひやってもらいたい人を選ぼう」とか、
結果として市議会全体にとって一番よいチームとなるよう投票をするのです。
それには自分の自己分析も必要になります。
市議会議員選挙というものが、そういう「考えを巡らせる」ものだとしたら、面白いと思えないでしょうか。
これが、学校で教えてくれない「投票行動」というものだと私は思っています。
みなさんの検討を祈る。