子供を守る昔の知恵
子供が不用意に外界に影響を受けないよう願う大人なら、「子供に変なことを吹き込まないで」と言ったりするものです。
そういう言い方は昔からよくありました。
そして一方で親は「あなたはもう成長した一人前の大人ですよ」と、子供に先に「大人」という前提を与えてしまうようにします。
子供を一人前の大人として扱うのです。
それで子供は自分を守ることができます。
将来ある子供にそっと横から囁いて、未来をくじけさせてしまう危険はあちこちにあります。
もし子供が「一人前の大人の自覚」というものを盾にすれば、子供は他人から不用意なことを刷り込まれないようにすることができます。
なにしろ、普通の社会では大人同士は、他人同士で余計なことを言わないものです。
大人が知らない他人に向かって、「服装が変だ」などとは言いません。
それが子供相手だと大人は不用意に言ってしまうことがあります。
知らない大人から子供が「君の恰好は変だね」なんて言われて、どんなトラウマになつたり、その後の趣味嗜好への影響となるかは分かりません。例えば親が大切に修繕してくれた服をそんな風に言われたとしたら。
そういうことから子供を守るための知恵が昔は様々にありました。
今はそういう知恵が廃れているだけに注意すべきだと思います。
昔はよく、慣用句のように子供らの方から親などに向かって言ったものです。
「私に干渉しないで」と(笑)。
今、残念ながらそんな知恵がしっかり伝えられているようにはあまり思えません。
逆に子供にいたずらな干渉をしたい大人はつい言ってしまうものです。
親でも心当たりがあることでしょう。
「生意気に一人前の顔をして」「子供のクセに」などと。
雑文につき、至らない点がありましたらご容赦ください。