子供には本を読んでもらいたい
残暑お見舞い申し上げます。
「子供」というのは何でも吸収するものです。
触れるもの全て初めて、この世界にいきなり飛び出して教育とともに成長し、やがて大人として社会に適応してゆきます。
その成長期に外界から受ける徒な干渉というのは時には邪魔なものになります。子供の人生に不用意に影響を与えてしまうことがあります。
少しの言葉が脳裏にひっかかったまま、人生が決まってしまうことだってあるかも知れません。
だから外界との接触はできるだけ避けるようにすべきだと思っています。
もし子供たちに「自由に自分の好きな道をゆかせたい」と願うなら、できるだけ干渉を受けないように配慮してやらねばならないと思います。
「将来はこんなことをして欲しい」という親の願望さえ、時には子供には余計なものだったりします。
子供は親の代わりに生きるわけではありません。未来を背負うのが人間というものであって、過去は教訓でしかないからです。
もし大事に育てようとするなら、そういう余計な雑音からは遠ざけたいものです。
「自分の人生をやらせてやりたい」、もし周囲がそう思うなら。
だから、地域があまりに子供たちに近づいてゆく政策というのは、私にはあまり賛成できません。
だからこそ、本を読むこと、文学や小説を読むことは良いことだと思います。
本は読み手と対話しようとしたりはしません。
昔の文学や小説というのは読み手に干渉する意図はないからです。
子供はそこから何かを吸い上げたり考えたりできます。
そう考えれば、例の「図書館」の事件については、図書館が政治家の勝手な思いつきで道具にされ、結果としてわが市の図書館行政が歪められてしまったことなり、とても残念なことだったと思うのです。